2019年アルゼンチン総選挙

新大統領アルベルト・フェルナンデス

州議会選挙(2月17日 - 11月10日)

国会議員選挙 (9月22日-10月25日)

大統領選予備選 (8月11日 )

大統領選挙 (9月22日-11月17日)

【ざっくり政党紹介】

 


新大統領アルベルト・フェルナンデス

現地時間10月27日、フレンテ・デ・トドス大統領候補アルベルト・アンヘル・フェルナンデスが、現職大統領マウリシオ・マクリの40.37%を上回る48.1%の得票率で勝利した。12月10日にブエノスアイレスのカサ・ロサーダ(大統領宮殿)で第53代アルゼンチン大統領として宣誓を行う予定。1983年の民主化以来、9代目の文民大統領となる。アルベルトは「唯一つ重要な事はアルゼンチンの人民が全ての苦しみを共に分かちあうことである」「平等なるアルゼンチン国家の建設を約束する」とコメントした。また10月27日は閣僚として仕えたネストル・キルチネル旧大統領の命日である事から、「ありがとうネストル、君が何処にいようとも我々はいつも傍にいる」と冥福を祈った(出典)。翌10月28日午前10時30分に現職大統領マクリとカサ・ロサーダで会談し、予定している新内閣のメンバーを紹介し行政機構の引継ぎに関する協議を行った(出典)。その後ウルグアイホセ・アルベルト・ムヒカとの会談、メキシコ大統領アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドル訪問、同国の富豪カルロス・スリムとの会談に臨んでいる。10月20日から起こっているボリビア反政府抗議では、大統領選勝利を宣言した現職エボ・モラレスを支持している。

アルベルトは1959年ブエノスアイレスのビジャ・デル・パルケ区生まれ、アルヘンティノス・ジュニオルスのホームタウンで生まれ育ち同クラブのファンであった。ブエノスアイレス大学法学部で刑法学と罪刑制度学を専攻し1983年に卒業。1985年から同大学の教授、またブエノアスアイレス州サン・イシドロの連邦判事としても働いた。1983年の民主化前後から正義党員として政治活動を開始し、ラウル・アルフォンシン政権下の経済省法律顧問、カルロス・メネム政権下の国防省特別参事等を経て、ネストル・キルチネル政権の内閣官房となった。クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル政権下の1年目に当たる2008年にフレンテ・パラ・ラ・ビクトリア党から脱退し、自らの政党「労働と平等」を立ち上げ基本的には中道左派ながらもキルチネリスタ批判者の立場にシフトした時期があった。2013年からマクリ政権2年目の2017年まで「変革者連合」に4年間所属した事もあったが、結局2019年の選挙に向けてクリスティーナ陣営の野党連合に加入。大統領候補として臨んだ選挙戦では「富を奪い返し労働者たちに返す」「女性の地位向上の為の省を作る」「マクリ政権がなおざりにしている南米諸国共同体を再度重視する外交」「IMF借款に依存しない経済政策」などを掲げ、勝利した。

翻訳元最終更新履歴
es.wikipedia:Alberto Fernández 02:59 6 nov 2019 (UTC)

州議会選挙の勝敗状況

 
  正義党×FDT 9州
  FORJA×FDT 1州
 

FDTと提携しない正義党系

2州
  急進市民同盟×カンビエモス 2州
  地域政党「フントス・ソモス・リオネグロ」 1州
  地域政党「ネウケン大衆運動」 1州

【ざっくり政党紹介】

・FDT (Frente de Todos):2019年6月12日に19の党を集めて結成された、社会民主・男女同権・ペロン主義・進歩思想を掲げる中道左派連合。前大統領でFDT共同党首・副大統領候補のクリスティーナ・キルチネルのカリスマ性、現政権に反発する正義系・連邦派・中道左派から共産系にまで至る広範囲の取り込み、労働組合との良好な関係により、ここまで州議会選と大統領予備選を優位に進めている。大統領候補はキルチネルと共同で党首を務める元内閣官房・厚生大臣のアルベルト・フェルナンデスに決定した。
・正義党:1946年11月21日、大統領当選直後のフアン・ドミンゴ・ペロンによって左右3政党を集めて結成された。ペロニスモが掲げる国家社会主義経済、労働者階級と労働組合重視政策の本流だったが、ペロン失脚後は親米軍事政権への迎合や分派を経た。民主化後はカルロス・メネムの新自由主義経済導入で悪評を買ったが、それでも全国のペロニスタ系運動の元締めである事と、キルチネリスタとの提携により連邦派の主流に生き残っており、地方州では未だ多くの知事が正義党員である。
・FORJA合意:2008年9月1日にUCR(急進市民同盟)から分離独立した中道左派寄りの新興政党で、政治志向に微妙なズレはあるものの初期からキルチネリスタの本家「フレンテ・パラ・ラ・ビクトリア」と常に提携している。2015年にはアルフォンシニシタ全国運動の構成員が脱退した。 FORJA(Fuerza de Orientación Radical de la Joven Argentina/若きアルゼンチンの急進的指導力)とは、元々1935年から1945年に実在したUCRの内部集団の名称で、イリゴージェン政権がクーデターで倒れた後の経済危機をナショナリズム(外国資本・不平等条約批判など)と、UCR本体の側面支援活動で乗り切ろうとしていた。
・急進市民同盟:1891年6月26日に革命家でフリーメイソンのレアンドロ・アレンが結成した、現存するアルゼンチン最古の政党。立場は中道左派と「急進主義」。経済黄金期のデモクラシーを牽引したが、世界恐慌後は軍政やペロニスモに妥協を余儀なくされた。1956年から党が分裂したが、ペロン帰国までは文民政権を守り大統領を連続輩出。民主化後もアルフォンシンを輩出したが、経済は回復せず国民の信頼を失った。デ・ラ・ルーア政権の危機以降はキルチネリスモの後塵を拝し、2015年総選挙から市場経済寄りの連合「カンビエモス」に入り、マクリ政権下で議席数が回復した。
・カンビエモス (Cambiemos/変革しませんか) - 2015年6月10日に当時ブエノスアイレス市長であったマウリシオ・マクリの政党「共和国提案」を中心に、2015年総選挙参加のために結成された連合。2019年6月12日に「フントス・ポル・エル・カンビオ」に改名。立場は親米保守・中道右派・市場経済主義・ポピュリズム右翼。ブラジル経済失速で輸出が低迷し、支持率を失ったキルチネル政権の国家社会主義経済を右寄りに巻き戻す事を主張し、勝利を収めた。党首マクリが大統領、国会上下両院で最多議席、ブエノスアイレス市長とブエノスアイレス州知事が共和国提案の議員で、首都圏の中央権力と大企業・富裕層が支持基盤。GDP成長率は2016年マイナス2.3%、2017年プラス2.9%、2018年マイナス2.6%。2019年州議会選挙では現在地方州で敗北が続いている。マクリは2019年大統領選での再選を期し、正義党上院議員ミゲル・アンヘル・ピチェットを副大統領候補に指名し受諾された。

・国会議員選挙 (9月22日-10月27日)

・下院 (Cámara)は257議席中130議席、上院 (Senado)は72議席中24議席を対象に行われる。当選・再選者の任期は下院が2019年から2023年まで、上院は2019年から2025年まで。選挙後最初の開会は2020年3月1日。18歳から70歳の有権者が義務投票制度の対象で、70歳以上の高齢者と16歳以上18歳以下のティーンエイジャーは自由意思。
左の地図:各州の当選可能な下院議員の定数。
右の地図:上院議員選挙が実施される州(青色)。定数は3人。

結果

下院

党/連合 % 獲得議席 +/- 合計議席 +/-
フレンテ・デ・トドス 0
 0 %
64/130
Sin cambios
0/257
Sin cambios
フントス・ポル・エル・カンビオ* 0
 0 %
56/130
Sin cambios
0/257
Sin cambios
連邦合意** 0
 0 %
3/130
Sin cambios
0/257
Sin cambios
サンティアゴの為の市民連合 0
 0 %
3/130
Sin cambios
6/257
Sin cambios
アリアンサ・アセモス・ポル・コルドバ 0
 0 %
1/130
Crecimiento1
1/257
Crecimiento1
和合の改革者戦線連合 0
 0 %
1/130
Decrecimiento2
3/257
Decrecimiento2
フントス・ソモス・リオネグロ 0
 0 %
1/130
Crecimiento1
1/257
Crecimiento1
バモス・トドス・ア・ビビール・メホール 0
 0 %
1/130
Crecimiento1
1/257
Crecimiento1
有効票 0
 0 %
白票 0
 0 %
無効票 0
 0 %
総投票 0
 100.00 %
130 Sin cambios 257 Sin cambios

上院

党/連合 % 獲得議席 +/- 総議席 +/-
フレンテ・デ・トドス 0
 0 %
13/24
Sin cambios
0/72
Sin cambios
フントス・ポル・エル・カンビオ 0
 0 %
8/24
Sin cambios
0/72
Sin cambios
サンティアゴの為の市民連合 0
 0 %
2/24
Sin cambios
2/72
Sin cambios
フントス・ソモス・リオネグロ 0
 0 %
1/24
Crecimiento1
1/72
Crecimiento1
有効票 0
 0 %
白票 0
 0 %
無効票 0
 0 %
総投票 0
 100.00  %
24 Sin cambios 72 Sin cambios
登録投票人/投票者 0
 0 %

 


大統領選挙 (9月22日-11月17日)

 フレンテ・デ・トドスの候補

Frente de Todos 2019.png
PJ-logo.png
アルベルト・フェルナンデス クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル
大統領候補 副大統領候補
CFK - tratamiento de la ley de emergencia tarifaria (cropped).jpg
元内閣官房長官
(2003–2008)
ブエノスアイレス州議会上院議員
(2017–)
元アルゼンチン大統領
(2007–2015)
連合政党の数:25党​

フントス・ポル・エル・カンビオの候補

大統領選挙に備え、カンビエモスに正義党のピチェット上院議員らペロニスタ諸勢力を加えて2019年6月12日に発足した新たな連合。政治志向はカンビエモスに比べ中道寄りに軌道修正されている。

Juntos por el Cambio.png
Propuesta Republicana.png
PJ-logo.png
マウリシオ・マクリ ミゲル・アンヘル・ピチェット
大統領候補(再) 副大統領候補
20
Pichetto junio 2019.jpg
アルゼンチン現職大統領
(2015–)
ブエノスアイレス市長
(2007-2015)
リオ・ネグロ州選出国会上院議員
(2001-)
連合政党の数:25党​

連邦合意の候補

Consenso Federal.png
所属政党なし
PJ-logo.png
ロベルト・ラバーニャ フアン・マヌエル・ウトゥルベイ
大統領候補 副大統領候補
Lavagna02.png
Urtubey en Quinta de Olivos (cropped).jpg
元経済産業省・不動産省長官
(2002–2005)
サルタ州現職知事
(2007–)
連合政党の数:25​

左翼戦線=労働者同盟の候補

Escudo PTS.png
Partido Obrero
ニコラス・デル・カニョ ロミーナ・デル・プラ
大統領候補 副大統領候補
Nicolás del Caño.png Romina del Plá.png
ブエノスアイレス州選出国会下院議員
(2017–)
ブエノスアイレス州選出国会下院議員
(2017–)
連合政党の数:25党
Del Caño presidente logo.svg

フレンテ・ノスの候補

FrenteNOS transparente.png
フリーランス
Valoresparamipais.png
フアン・ホセ・ゴメス・セントゥリオン シンティア・オットン
大統領候補 副大統領候補
Juan José Gómez Centurión (cropped).jpg
Cynthia Hotton.jpg
元陸軍少佐
(1976-1997)
元中央銀行副総裁
(2017-2019)
ブエノスアイレス市選出 元国会下院議員
(2007-2011)
連合政党の数:25党

    

「自由と尊厳のためのウニテ」の候補

Unite por la Libertad y la Dignidad.png
Partido Libertario (Argentina).png
フリーランス
ホセ・ルイス・エスペール ルイス・ロサレス
大統領候補 副大統領候補
エコノミスト・大学教授 元メンドーサ州議会下院議員
(1989-1991)
メンドーサ州観光庁理事
(1991-1995)
支援政党の数:25党​

大統領選予備選結果 (8月11日)

・予備選得票率2位の結果を受けてマクリ大統領とピチェット副大統領候補は、会見で「こんなはずじゃなかった」と大きな失望を見せた。2人の弱気な態度に国内外の大企業と米国-アルゼンチン間為替相場は翌8月12日に景気の先行き不透明感を示し、ここ70年でワースト2位の記録となる48%もペソの評価が下がり、1ドル42ペソから66ペソまでレートが急落した。開票はまだ完全に終わった訳ではないが、政権は批判を浴びている。この日のウォール・ストリートはアルゼンチン関連株にとって「ブラックマンデー」と化し、NY市場に上場しているアルゼンチン企業は軒並み50パーセント台の株価暴落にさいなまれた。JPモルガンはアルゼンチンのカントリーリスク値を、ベネズエラに限りなく近い1946ポイントまで引き上げたが、アルゼンチンリスクがここまで懸念されたのは2009年3月25日に記録した1960ポイント以来、約10年ぶりである。ピチェットは同日この株と為替の値動きを見て「改めて信じがたい敗北。大統領はもう冷静さを取り戻し、最終結果が出るのを待っている」とコメントした。

マクリ政権に概ね同調的だった2大全国紙クラリンとラ・ナシオンも、「政権崩壊危機」と報じた。8月13日にマクリは、一人の側近も連れずに支持者たちの前に現れ、開票が始まって以来初めて演説をした。そしてフレンテ・デ・トドスと大統領候補アルベルト・フェルナンデスへの攻撃的発言が「仇になってしまい、それを聞いた国民は我々から離れた」と弁解した。また「FDTが勝った場合、フェルナンデス候補と(連立の可能性について)話し合いの場を持ちたいと考えている」とも語った。この演説の間にも、市場ではペソの対米ドル価値がさらに9%下落した。同日夜に2人は実際に電話で会談し、この選挙が最後まで民主的手段に則って行われるべきこと、為替と株の危機的状態を沈静化させるために超党派で協力すべきという話し合いをした。
立候補者 所属政党・連合 得票数
大統領候補 副大統領候補
アルベルト・フェルナンデス クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル フレンテ・デ・トドス 11,622,085 47.65
マウリシオ・マクリ ミゲル・アンヘル・ピチェット フントス・ポル・エル・カンビオ 7,824,961 32.08
ロベルト・ラバーニャ フアン・マヌエル・ウルトゥベイ 連邦合意 2,006,964 8.22
ニコラス・デル・カニョ ロミーナ・デル・プラ 労働者と左翼の戦線 697,745 2.86
フアン・ホセ・ゴメス・セントゥリオン シンティア・オットン フレンテ・ノス 642,650 2.63
ホセ・ルイス・エスペール ルイス・ロサレス 自由と尊厳のためのウニテ 533,079 2.18
マヌエラ・カスタニェイラ エドゥアルド・ムルアール 社会主義への運動 173,584 0.71
アレハンドロ・ビオンディーニ エンリケ・ベントゥリーノ 愛国戦線 58,573 0.24
ラウル・アルバラシン セルヒオ・パストーレ 郷土振興運動 36,323 0.14
ホセ・アントニオ・ロメロ・フェリス ギジェルモ・スエルド 国家自治党 32,562 0.13
記録上の投票数 23,628,526 96.88
白票 758,944 3,12
実数 24,387,470 98.78
後に無効化された票 300,017 1.22
投票した国民の数 24,687,487 75.78
投票権を行使しなかった国民の数 7,898,275 24.15
有権者総数 32,621,468 100
出典: 政府公式サイト (書類上の名目投票率捕捉: 96,31%)

本選 (10月27日)

候補 党・連合 獲得票 得票率
大統領 副大統領
アルベルト・フェルナンデス クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル フレンテ・デ・トドス 12.473.709 48,10%
マウリシオ・マクリ ミゲル・アンヘル・ピチェット フントス・ポル・エル・カンビオ 10.470.607 40,37%
ロベルト・ラバグナ フアン・マヌエル・ウルトゥベイ 連邦合意 1.559.707 6,16%
ニコラス・デル・カニョ ロミーナ・デル・プラ 労働者と左翼の戦線 561.214 2,16%
フアン・ホセ・ゴメス・セントゥリオン シンティア・オットン フレンテ・NOS 443.507 1,71%
ホセ・ルイス・エスペル ルイス・ロサレス 自由と尊厳のための団結 382.820 1,47%
有効票 25.931.564 97,50%
白票 399.751 1,50%
有効票 26.331.315 99%
無効化された票 264.145 0,99%
投票率 26.595.460 80.86%
投票拒否 7.263.273 19,14%
記録された投票数 33 858 733​ 100%

 


翻訳元最終更新履歴
es.wikipedia:Elecciones provinciales de Argentina de 2019 ‎ 22:32 14 ago 2019 (UTC)
es.wikipedia:Elecciones legislativas de Argentina de 2019 17:07 30 oct 2019‎ (UTC)
es.wikipedia:Elecciones presidenciales de Argentina de 2019 20:40 30 oct 2019‎ (UTC)